フィンチューブ式熱交換器の周辺環境の設定
フィンチューブ式熱交換器の導入に際し、特にご注意していただきたい周辺環境の設定は、次の4項目です。
1.ダクト配管の設定
フィンチューブ式熱交換器の能力を最大限に発揮するためには、1次側ガス体をフィンチューブ全面に均一に流さなくてはなりません。ダクト配管は風速を10~15m/secで設計するケースが一般的です。弊社の標準的なフィンチューブ式熱交換器に適した風速は2.0~4.0m/secで設計しており、そのためダクト配管と熱交換器との間にシュートホッパーが必要です。その際、シュートホッパーの角度を60°で広げると効率よく流れます。
2.一次蒸気配管および機器の設定
蒸気を熱媒体として使用する場合、蒸気の取り扱いにいくつかの注意が必要となります。具体的には…
- 乾き蒸気および異物を混入させないため、メイン配管から一旦立ち上げて蒸気を供給してください。決してメイン配管エンドからのダイレクト供給は避けてください。(ウォーターハンマおよび孔食腐食に繋がります)
- 蒸気を制御して温度管理を行う際にコントロール弁を用います。ただし、複数台を一組として使用する場合、コントロール弁が不具合を起こす場合がありますので、ご注意ください。
3.二次側ドレン配管および機器の設定
熱交換器で使用した蒸気はドレン水となります。その際、熱交換機内部にドレンが溜まってしまうと、能力低下や腐食による損傷の原因ともなります。ドレンが溜まらない環境を構築されることをお薦めします。
4.コンプライアンスについて
フィンチューブ式熱交換器は圧力容器に分類されるため、労働法に定められた法規を遵守しなくてはなりません。仕様選定時は十分にご注意ください。